NPO法人を設立したいきさつ
(設立認可申請に添付した趣意書そのまま)

 日本は、かつて喫煙者の天国というべきほどの、喫煙に対して寛容な地域であった。昨今は健康志向により禁煙社会へ向かいつつあるが、依然として、道半ばである。WHOの調査によれば、日本の受動喫煙への対応に関しては、世界の先進国に中でもっとも遅れている一つとの指摘を受けている。世界の趨勢からは周回遅れの状況であることは、否定できない。

 一方で、世界中からの訪れる人は、年々増え続け、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、さらに増加が見込まれている。日本政府も、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙を防止するため、法整備を含めた対策の強化に乗り出している。国際オリンピック委員会(IOC)は世界保健機関(WHO)と共同で、2010年から「たばこのない五輪」を推進している。12年のロンドン五輪と今年のリオデジャネイロ五輪では、受動喫煙の防止策として、法律でレストランなどの屋内は全面禁煙と決めた。日本の対策も国際水準にすべきである。

厚生労働省が先日示した対策案では、医療機関や学校などは「敷地内禁煙」とし、運動施設や官公庁などは建物内の禁煙を義務付ける。飲食店やホテルなどは原則として建物内の禁煙とし、煙が外に流出しない喫煙室の設置を認めるとしている。さらに、喫煙禁止場所でたばこを吸い続けた喫煙者や、受動喫煙の防止策を実施しない施設管理者には罰則も科すという。

 しかしながら、実社会を見渡す限り、喫煙者および非喫煙者に至るまでも、喫煙に対する意識は国際的に見ても高いとは言えず、法整備や条例設定で全てがその意図通りに運ぶと期待するには、無理がある。そこで、他者の喫煙によって被害を被っている、あるいは不快に思っている人との輪を作り、喫煙拒否の活動を展開し、この輪を拡げることで、クリーンで非喫煙者が快適に過ごせる社会を作ることを加速できると思われる。

 そのため、この法人は、諸官庁、自治体、教育機関、公共スペースを提供する宿泊施設や商業施設、飲食店等との協力を募り、ICT、例えば、WEBサイトやSNSを通じて、情報交換や意見交換を行い、住民、一般市民、旅行者、一般企業の別なく、啓蒙活動につなげることによって、非禁煙者の権利を守り、喫煙者に義務を認識してもらい、その運動を、広く一般常識をとして受け入れてもらうことにより、日本が世界と自らの未来に恥じない環境を作っていくことに寄与することを目的に設立する。

 今回、NPO法人として申請するに至った理由は、上記事業の受益・関与対象者(団体、施設含む)が極めて広範囲であり、行政や関連団体との連携を深めていくことが、本活動の地域定着、継続推進に不可欠であること等の観点から、社会的にも認められた公的否組織にしていくことが最良の策であると考えたからである。また、当法人の活動が営利目的ではなく、多くの市民の方々に参画していただくことが不可欠であるという点から、特定非営利活動法人格を取得するのが最適であると考えた。法人化によって、日本社会にとって喫緊の課題である受動喫煙問題対策のレベル向上を通じて、地域の安心安全快適の増進、観光振興、国際協力の増進等にかかわる様々な事業を展開できるようになり、広く社会に貢献できると考えている。

 私自身もかつては喫煙者であった。喫煙者の気持ちもわからないわけではない。一方で、健康、環境にとって、ましてや非喫煙者にとって、大変迷惑であり、不愉快であることは事実ではある。かつて、息子が幼児の頃、不注意からタバコを飲ませた苦い経験もある。そんなこともあって、かねてより、行きつけの飲食店等で禁煙化を勧めたり、友人、知人に自身の禁煙経験を語っている。喫煙者は決して非喫煙者に被害を及ぼしてはいけないという義務を、広く社会に浸透させたい。そんな個人的なささやかな行動の中で、同じ思いを持つ人たちが多いことを認識し、この機会に個人の行動を、より広い活動に発展させたいと、奮い立った次第である。

2016年10月28日 発起人 中嶋 博

この人の黒歴史(自伝)

当時多くの高校生が愛煙していた
マイルドセブン

前回の東京オリンピックの少し前に、東京の下町で生れる。茨城のタバコ農家にルーツがあり、爺さんも親父もヘビースモーカー。抱っこされながら、受動喫煙をしていたため、高校入学後には、なんの違和感も無いまま喫煙開始。不思議なことに、おふくろは止めろとは言わず、大きな灰皿を与えてくれた。火事にするんじゃないと。

そのおかげで、喫煙習慣は消えず、大事な小遣いをタバコに消費し、隠れて吸っていた。そして、ついに高校の部活合宿の最中、みんなで抜け出し焼肉屋で酒とタバコを吸い、見事に一同停学。大学推薦を取り消すと脅されて、びびった。神妙に振舞って、なんとか、就学機会の消滅という、最悪の事態は回避。

その後も、この悪慣習はやめられず、ある日、家の中で息子がタバコを食べた。慌てて連れて行った病院は、全ての患者を後回しにして、飲んだタバコを吐き出させてくれた。幸い後遺症がなかったこともあり、一家離散という、最悪の事態は回避。

その後も、職場の仲間と何度も禁煙を試みるが、禁煙ごっこに止まる。そして、いつの間にか禁煙歴は20年近くになった。アメリカに飛ばされても、個室でこそこそ吸っていた。これには、アメリカ人の女子たちが、大クレーム。このままでは、職場放棄されそうなので、ついに禁煙を決心。同僚と一緒に、全てのタバコを吸い尽くし、煙とニコチン、タールでクラクラしながら、禁煙を決行。職場崩壊という、最悪の事態は回避。

翌日から、周囲の評価が激変。今更、喫煙を復活したら、殺されるに違いないと、禁煙を継続。日本に戻り、世界中に飛ばされている現在では、何故か、タバコが大嫌いになっている。なので、最悪の事態は訪れないのではないかと、密かに安堵している。