この12月にアメリカ(ニューヨーク、ワシントンDC)、カナダ(トロント)を訪れる機会がありました。折角の機会なので、この地のタバコ事情を3回に分けて報告いたします。
アメリカ(ニューヨーク)編
レストランは屋内完全禁煙です。もちろん、喫煙スペースなんてものも存在しません。そのことに対して、不思議に思う人もいないのでしょう。日本ではあちこちにある禁煙表示も皆無です。きっと、トラブルもないのでしょうね。ですので、どこのレストラン、バーでも、受動喫煙に遭遇することはないのです。とても快適です。ただし、物価は非常に高いですが、、、
空港は全面禁煙です。その旨、機内でのアナウンスもあります。もちろん、鉄道の駅、車内(アムトラックといった中長距離鉄道)も、全面禁煙です。
とは言え、外で禁煙する人は、それなりにいます。日本のような喫煙所はなく、ホテルの外に灰皿が設置している程度です。マンハッタンの路地では、喫煙している勤め人、観光客、建設作業員らをそれなりに見かけますが、日本よりははるかに少ない印象です。街中の吸い殻も、それほど多くはありません(他のゴミは多いですが)。人前で喫煙する行為が蔑視される、という感覚が根付いているのだと思います。
なお、タバコの入手は決して困難ではありません、そこここのニューススタンドで購入可能です。ただし、価格は日本円で1500円以上です。この金額は、物価の高いニューヨークと言えど安くはないのです。タバコ規制は進んでいますが、社会からタバコを隔離するという観点では、後述のカナダよりは、はるかに緩い印象です。
一方で、目についた点は、禁煙ビジネスが繁盛している印象です。ハーレムのバス停には、軒並み、医療や製薬事業者の広告看板があります。例えば、「タバコをやめて肺がん検査を受けましょう。寿命が伸びます。」といった具合です。反対に、タバコ産業は表に出てきません。紙巻タバコのプロモーションは皆無。電子タバコも地味です。日本で販売されている加熱式タバコについては、認可されていません。
日本との際立った違いは、「屋内禁煙に対して極めて厳しいこと」「喫煙者に対して蔑視する傾向が強いこと」「タバコ産業が目立っていないこと」です。結果、受動喫煙やタバコそのものをほとんど意識しないで、日々を過ごすことができます。